とあるカフェチェーンで提供されていたストロベリー味のフラッペは、鮮やかなピンク色を出しつつも人工着色料の使用を避ける為に天然素材のコチニール色素が用いられていました。
人工着色料を避け、オーガニックにこだわった上でこの材料を使ったのでしたが、これについて批判の声が上がってしまいました。
声を上げたのは、完全菜食主義者(ヴィーガン)の人々でした。
彼らは、動物が人の犠牲にならないよう、完全菜食主義者に優しい抽出物への切り替え要望し、インターネットの署名を集めました。1ポンド(約450グラム)のコチニール染料を生産するには、およそ7万匹のコチニールカイガラムシが必要になるといわれています。
そしてその後、完全菜食主義者の人々以外からも、昆虫の抽出物使用に不安を持つ消費者から多数の要望が寄せられたため、カフェチェーンの運営会社はその声に応え、原料を植物由来のものへと変更を行いましたました。
「天然着色料」や「オーガニック」と言われれば、自然のものなので、普通は木や草などを想像しますが、こちらは動物性の天然着色料であったため、そのこだわりが裏目に出てしまったと言えます。
その後これがきっかけとなり、他のメーカーでもその後コチニール色素の利用が減っていきました。コチニール色素は、トマトやクチナシ等の植物性色素、又は合成着色料に変更するケースが増えました。
ただ、今でも人工着色料を避けつつも、良い色を求める為に今でもコチニールは高級着色料として使われ続けています。日本でも、蒲鉾や饅頭、素麺など、日本特有の食材にも使われ続けています。
こちらは、つい先日私がお返しに頂いた素麺です。箱にはコチニールと書かれています。淡いピンクが和のテイストに合うのだと思います。昔から馴染みのある色ですね。もちろん、家族みんなで美味しく頂きました。